云わずと知れた 本店を
京都・東山に構える料亭・・・菊乃井。
混沌の赤坂の夜の路地を一本入ると・・・どこへと続くのだろうという佇まい。
ここは、菊乃井(赤坂店)。
足元だけを照らしてくれる行灯(あんどん)こそは、美しい日本だと思う。
席に着くと、私の好きな泡ぶくぶくの栓が開いた。
もちろん、京料理は目を心を愉しませてくれる。板さんとの話も弾む。
・・・・でも、でも!足元がかゆい・・・かゆい、かゆ〜〜い。
でも、食事のお席で蚊の話なぞ不躾。我慢我慢...じっと我慢。食べる呑む食べる呑む笑う。
と、その我慢も限界の時!宴の中のお一方のヒチサン分け部分を蚊が飛んでいた。
しかも蚊にさされた模様。これは誠に良ろしくない事態。
お店の人も大あらわで、「すみません、店内でこんなことがあっては成らないのに・・・」
そうだそうだ!ごもっともだ!ここは菊乃井だから、あってはならない!皆がそううなずいた。
お見送りの時、板場さんが「ここには蚊がおりますんで御気をつけくださいまし」。
「ん?ここには蚊が居る?」私は気付いた...お店に入る前、この行灯に見とれて、この写真を撮っている10秒くらいの停止時間、私の着物の中に蚊が入ってきて、それが店内で飛んでいたのだ・・きっと、いや絶対。私が悪かったのだ、お店の方々・・・御免なさい。
今更、誰にも云えないこの事実。
赤坂の薮蚊にさされた痕が、ようやく消えつつある今日、自らの日々に再度反省。。
青年よ、少女よ...路半ば、立ち止まる場所を決して間違えてはいけない・・・。